アレキサンダー

 歴史のパッケージ化というオリヴァー・ストーンの野心はついに2300年前へとも向けられてしまった。評判はかんばしくなかったけれど、『プラトーン』や『サルバドル/遥かなる日々』ほどに慎ましく、『ウォール街』ほどに粗野で、『JFK』や『エニイ・ギブン・サンデー』ほどにしぶとく、『ナチュラル・ボーン・キラーズ』や『Uターン』ほどに鮮血に狂っている。いいとこどりしすぎて噛みづらいという点はあるけれど、この173分につきあうだけの寛容さもない薄情な新世代妄信者は、もうアメリカ映画を見なくてよい。