イギリス映画

 『トレインスポッティング』から遡れば『時計じかけのオレンジ』(1971)があり、マルコム・マグダウェルがその主演を任されるきっかけとなったろう作品がリンゼイ・アンダーソンの『if もしも・・・・』(1968)であり、なんとない選択とはいえ奇遇な組み合わせの今日の鑑賞作。『トレイン〜』のボーナスDVDに中のダニー・ボイルの発言「言葉を大切にする国だから」に、イギリスの映画に対する薄情さをある程度納得。 アンダーソンは、ジョン・フォードの研究本なんかを本気で書いたりしている。『怒りを込めて振り返れ』での、秩序なく置かれた木の椅子とか、ミディアム・ショットの画面の密度あたりがジョン・フォードらしいのかとも思ったり。画面の密度っていうのは、文字通り、画面内に収まっている物質の大きさや数に従う濃淡の度合い。  それとは別に、なんてやすっぽい画面作りなんだ(!)と思ったら、TVドラマ用に作られた作品なのね。 やはりマグダウェルを見ると『時計じかけのオレンジ』を想起せずにはいられない。無性に恋しくなり、近作『ギャングスター・ナンバー1』(2000)を見なければ、と思った次第。