バッド・エデュケーション

bad education

 これはいい。アルモドバルの作品群の中でも一番映画らしい映画。すなわちアメリカ古典映画的。ガエル・ガルシア・ベルナルとルイス・オマールが「フィルム・ノワール週間」との看板が掲げられた映画館から出た後にオマールが呟く。「どの映画も私たちみたいだ」。自覚的なことはいいことだ。 感動作と謳われた『オール・アバウト・マイ・マザー』のような情感の空回りもない。むしろ、「映画」であることに心を開いたそっけなく愚鈍な感動をありがとう。