スクリーム

 これもまた、作家が作家に教えるタイプの作品。ホラーはこう撮れと。ただし全てをイン・プット、アウト・プットされるのは製作者の本望ではないのだろう。鑑賞者の侵略を許さないものとする構成を目指したあまり、虚構性がコテコテに巡られているわけだが、過ぎたる虚構性は人をその外側から傍観する立場に立たせる。そういった立場はイン・プットにはもってこいの立場。いけないのは、傍観する装置をもアウト・プットしてしまうこと。そこで見られることになるのは、既に在るものであり、それらは生起の時間に決定的に遅れている。既に在るものがもう一度見られるとすれば、それは要するにパロディになっているわけだ。永遠にパロディをやるわけにはいかないでしょう。 錯誤を引き起こすことまで予想して、以上を十全に教えてくれるほど徹底している本作は良心的だし良質なフィルム。

スクリーム [DVD]

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