接続詞「と」

「と」というのは、ふたつのもののどちらか一つをさすのではなく、ふたつのものの「あいだ」にある境界を指しているのです。どんな場合にもかならず境界があり、逃走の線や流れの線があるわけですが、ただいかんせん、これがもっとも知覚しにくい部類に属しているため、なかなか目に見えてこない。しかし、事物が生起し、生成変化がおこり、革命が素描される場は、この逃走の線上にあるのです。(ジル・ドゥルーズ,『記号と事件』,Ⅱ 映画,河出書房)