エターナル・サンシャイン

 TVCMに後々まで残るような強い印象や感動を受ける人はいないと思う。初めて見るCMにも、既視感を感じつつまなざしを送る。トイレに行ってもいいし本に目を落としてもいいし、気散じの状態が流れる時間。忘我のまま画面を眺めながら商品を流れに沿って確認したりもする。そんな、CMのような作品。忘れ去られてもよく、むしろ積極的に忘れられようとしている作品に、いいとか悪いとか言ってもしょうがない。 映画も長いことやってきて、「見ること」には飽きてきたりもして、「見ないこと」や「やり過ごすこと」をやりたい時期なのかもしれない。 『イン・ザ・ベッドルーム』のトム・ウィルキンソンの出演に満足。しかもキルスティン・ダンストの相手かよ。