不屈の精神

読了。こういうモラルの書を欲してました。

「プロ」として映画を見るのを学ぶことは、フィルムを次第に自分の問題とは別に調査してゆくことを学んでゆく事実が一方にあり、他方で、私たちが成長してゆくのに関係あるフィルムによって、私たちの歴史の網の中にすでに引き入れられ、将来書かれるだろう私たちの自伝がすでに書かれてしまったかのようなものとして、私たちを見つめ私たちに関係するフィルムと共に生きることがある。(p.25)

ほとんど遅すぎるくらいに、臨終に到着し、饗宴がこれから始まるようなふりをすること、それがおそらくシネフィリーと呼ばれるものの本質だろう。シネフィルとは〔...〕黄金時代へのノスタルジーを持つ者のことではない。シネフィルとは、封切られたばかりの現在の映画に相対しても、「こうなっているだろう」という翼をすでに広げていることを感じている人のことである。(p.114)

ISBN:4845996596