こども

テレビでやっている映画に遭遇すると、たいていは一瞥してやり過ごす。今回はどうしても目が離せず最後まで見てしまった(エンドクレジットで監督やタイトルが判明)。子供という、誰もがそうであった年頃へのしぶとい記録の痕跡があったからだ。可視化することで現代人の起源を見る者に共有させるような史劇とか戦争劇などは、現代的なものをそれと決して交わらない平行関係において、場所や位置を変えて置かれたものにすぎないのがほとんどだ。はるかに難しいのは、子供時代へ視線を注ぐことだし、撮られるべきもそれではないか。