映画を見たりした。


 96分の『鬼教師』、一点に構えた不動の者が物語を支配するという点で、近年のあるアクション大作を想起した。あれよりも秀逸。カイエ・デュ・シネマが『マン・オン・ザ・ムーン』を2000年のトップ10に入れたのは映画的詐欺が徹底のせいか。『脅迫者』は文句なしにすばらしい。『キンゼイ』には『ゴッドandモンスター』と同じ制作者によるものだと分かる徴があるけれど、『ゴッド』を超えてはくれなかった。フィルム・センターでも現在回顧上映をやっている成瀬、ブラウン管でごめん。

 9月は10日からの「ドイツ時代のラングとムルナウ」に気合入れて足を運ぶ。その他「ミシェル・クレイフィ監督特集」や暇あれば「ポーランド映画 昨日と今日」へ。
 リプチンスキーのDVDが出た。こちらはおうちで楽しめるとよい。

 実家にサヨナラ。帰省中にと予定していた『妖怪大戦争』や『亡国のイージス』は見られず。家で『カイロの紫のバラ』(ウディ・アレン,1985)や『ワイルド・レンジ 最後の銃撃』(ケビン・コスナー,2004)などを適当に見る。あとは『黒い時計の旅』や『高慢と偏見』などを読んで夜更かしをしたくらい。一人暮らしだとなかなか機会のないスイカを食べられた。知っている人に会ったばあい、どう挨拶したらいいだろうか、気さくにしたらいいのか、礼儀正しくしたらいいのか、どちらかに偏向しているとおかしいはずで、バランスをどう取るべきか考えながら、外を出歩く時は臆病な顔つきにならざるを得ない。

 んー、しばらく更新していなかった。多少やることがあったといっても忙しくは全然なかった。キーボードを打つのが面倒だったのだと思う。
 この間、映画は一本も見ていない(!)たまには映画を見ない状態を継続して映画を考える、というのは適当すぎるいいわけ。
 本は何冊か読んだな。まず、

万延元年のフットボール (講談社文芸文庫)

万延元年のフットボール (講談社文芸文庫)

いまさらだが。
 それから、
小説の自由

小説の自由

 それ自身のみを参照と論拠にしつつ小説を書いたり読んだりすることの面白さを知った。
 4年ぶりにクッツェーの傑作、
恥辱

恥辱

 を。初読以降のクッツェー体験を経ると、エロ教授ラウリーのスケベ描写よりも、死を待つ動物への彼の態度にこそ本作の真髄があると分かる。 新作
Slow Man

Slow Man

が楽しみだ。
 どれどれ、と野次馬心に読んだのは
花まんま

花まんま

物足りなかったなぁ。
 それから
ねじの回転 (新潮文庫)

ねじの回転 (新潮文庫)

とか。
 今日渋谷の某書店に行くと、長らく絶版で中古には高値がついていた
黒い時計の旅 (白水uブックス)

黒い時計の旅 (白水uブックス)

が再刊されていて感激。書店も売る気マンマンだな、数列にわたってこんもりと山積みされていたよ。本当にたくさん。


 明日帰省する。帰るのは冬ばかり。実家の夏は5年ぶり!

テクノロジー : 日経電子版
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経済、株価、ビジネス、政治のニュース:日経電子版デジタルシネマ、米映画大手が規格合意

 ドリームワークスにはなるべく独りでやってほしいがそうもいかないのか。